失業保険の特定理由離職者って何?どんな優遇措置があるの?

特定理由離職者とは?

会社の都合で、仕方なく退職させられた人は、「特定受給資格者」となり、失業保険の給付日数や給付開始時期は、自分の意志で退職した自己都合で退職した人よりも手厚く設定されています。

 

でも、自己都合退職した人であっても、ある一定の条件をクリアしていると、「正当な理由のある自己都合退職」と認定され、通常の自己都合退職より有利な処遇を受けられるのです。

このような方を、特定理由離職者といいます。

特定理由離職者になるための条件とは?

自己都合退職した人が、「特定理由離職者」として認められるには、いくつかの条件があります。

具体的には、以下のとおりです。

 

  • 期間の定めのある(任期付き)労働契約が終了し、本人は契約更新を希望したけれど認められずに退職した
  • 人員整理などの希望退職者の募集に応じて退職した

 

  • 体力の不足、心身の障害、病気、ケガなど、心身の問題で退職した
  • 妊娠、出産、育児等などで退職し、受給期間延長措置を受けた

 

  • 家庭の事情が急変し、父母の扶養・看護のために退職した
  • 単身赴任などの別居生活を続けられなくなり退職した
  • 不利な転勤命令や結婚・育児などで通勤が難しくなり退職した

 

ざっと読むと、「これまで通り働きたいけれど、それが難しくなった」ため、仕方なく退職したケースが「特定理由離職者」にあてはまると言えますね。

 

特定理由離職者になったら受けられる優遇措置とは?

上で書いたとおり、「特定理由離職者」は、会社都合で働けなくなった「特定受給資格者」に近い状態で退職した人のこと。

なので、通常の自己都合退職者よりも優遇措置を受けられるわけです。

では、具体的にどのような措置が取られているのでしょうか?

 

失業保険がもらえる日数がふえる

会社都合退職と自己都合退職では、失業保険がもらえる日数(所定給付日数)は、大きな差があります。

 

「特定理由離職者」のうち、

  • 有期雇用契約が更新されなかった人
  • 離職以前の2年間に雇用保険に加入していた期間が6ヶ月以上1年未満の人

は、会社都合退職者と同じ日数分、失業保険が付与されます。

 

前者は「解雇された」のと同じ扱いが受けられるということ。

一方、後者は「アレレ?」って思われたかも。

雇用保険の加入期間が足らず、失業保険の受給資格がない人となりますからね。

でも、そのような場合であっても、「特定理由離職者」に認定されれば失業保険がもらえる、という制度になっているのです。

なので、これは日数が増えたというよりも、もらえるようになると書いたほうが正確かもですね。

 

給付制限期間がなくなる

自己都合で退職すると、失業保険が給付されるまで3ヶ月待たなければなりません(給付制限期間)。

でも、「特定理由離職者」になると、給付制限期間がないので、すぐに失業保険がもらえるのです。

 

また、自己都合退職の給付制限期間中も、失業認定を受けるために4週間で3回以上の求職活動を行わなければなりません。

これって、結構、ハードルが高い条件です。

しかし、「特定理由離職者」になると求職活動も月2回でOKとなります。

この差は、とても大きいです。

 

なお、「有期雇用契約が更新されなかった人」以外の優遇措置は、給付制限期間がなくなることだけで、失業保険の支給日数増は残念ながらありません・・・。

 

退職理由を確認しよう

退職する場合、自分は会社都合か自己都合かは、だいたい、すぐに分かります。

でも、自己都合だけど、「特定理由離職者」かどうかは分かりにくいもの。

 

そのような方は会社から届く「離職票-2」の離職理由の欄を確認してください。

「離職票-2」の下のほうに

「5 労働者の判断によるもの」

という欄がありますが、もし、ここの

「(2)労働者の個人的な事情による離職(一身上の都合、転職希望等)」

にチェックが入っていると、「自己都合退職」となります。

 

この場合は、さらに下の欄の

「具体的事情記載欄(事業主用)」

「自己都合による退職」

などと書かれているはずです。

このままだと、ハローワークでは確実に「自己都合退職」として処理され、「特定理由離職者」の扱いを受けられなくなります。

 

特定理由離職者として認められるには?

ただの「自己都合退職」とされてしまっているけれど、何とか「特定理由離職者」として認めてもらいたい!

そんな方は、以下の事項を行ってみてください!

ハローワーク初回訪問で申し出る

あなた自身が、

「自分は特定理由離職者に当てはまる!」

ということであれば、「離職票-2」の下の欄にある

「具体的事情記載欄(離職者用)」

に「なぜ、自分は特定理由離職者にあてはまるのか」

の理由を書きます。

上で記している「特定理由離職者の条件」を参考に、具体的に書くと良いでしょう。

 

さらに「離職票-2」の下にある「⑯離職者本人の判断」で

「事業主が○をつけた離職理由に異議 有り 無し」の

欄で、

「有り」

を○で囲みます。

 

そして、ハローワーク初回訪問の手続きの際に、担当者に退職理由を申し出て下さい。

退職理由を証明できる資料があれば、必ずそれを持参して、担当者に見せましょう。

 

「希望退職」と「退職勧奨」に要注意!

「人員整理などの希望退職者の募集に応じて退職」する場合は、特定理由離職者となります。

 

一方、「特定理由離職者」よりも格段に手厚い待遇である「特定受給資格者」となる条件に、「会社から直接・間接的に退職の勧奨を受けた」というのがあります。

 

「希望退職」への応募と「退職勧奨」の受入、なんとなく似たような感じがしますが、失業保険がもらえる日数は150日か330日と大きく異なるんですよ。

 

万一、あなたが「退職勧奨」で会社を辞めたのに、「希望退職」にされてしまったら大問題ですよね。

「退職勧奨」を受けて退職を決意しても、必ず会社側に「退職勧奨に基づく会社都合退職」であることを確認することを強くおすすめします。