ムカつく上司に叩きつけるのは「退職届」。間違って「辞表」を叩きつけないように

テレビドラマを見ていると、仕事で失敗した若手社員に対して上司が、

「バカヤロー!お前なんか辞めちまえ!いますぐ辞表出せ!」

と怒鳴りつけるシーンがありますよね。

 

今の時代、こんなパワハラ行為を行ったら、それこそ上司が会社を辞めなきゃならなくなりますが、一昔前なら、そんなに珍しい光景ではなかったかも。

 

だけど、このシーン、パワハラ以外にも大きな間違いがあります。

それは、会社員が出すべきは「退職届」であって「辞表」ではないということなんです。

 

こちらでは、知らないと恥をかく「辞表」と「退職届」の違いを見ていきましょう。

 

「辞表」とは何か?

まず、辞表とは、「役職者が役を辞するときに提出する書類」のこと。

公務員や公的な組織の役職者が、その職を辞するときに出すのが辞表です。

民間の会社だったら、株主総会で承認を得られた取締役や執行役員、理事クラスが出すもので、普通の会社員が出すものではないんですね。

 

サラリーマンは「退職届」

では、一般のサラリーマンが会社を辞めるときに出すもの、それは「退職願」か「退職届」です。

このように「辞表」を出すのは公的な立場の人、一方、「退職願」「退職届」を出すのは、普通のサラリーマンとなります。

 

なので、冒頭のパワハラ上司の

「辞表を出せ!」

という言い方は間違いで、正しくは

「退職届を出せ!」

となるわけです。

(「退職届を出せ!」と怒鳴るのって、ずいぶん間延びした感じですけど・笑)

 

「退職願」と「退職届」はいつ出す?

「退職届」や「退職願」は、いつ出すものでしょうか?

一番、多いケースは、自分で会社を辞めるときでしょうね。

ちなみに、定年退職するときは、自然と退職になるので、わざわざ「退職届」を出さなくても大丈夫です。

(どうしても出したいのなら、出しても良いとは思いますけど・笑)。

 

また任期つきの契約社員が期間満了で会社を退職するときも、契約切れとなるので「退職届」を出す必要はありません。

 

あと、絶対に避けたい事態ですが、万一、不始末を起こしてしまって会社に居られなくなった場合。

このときも、出すのは「退職届」です。

 

「退職願」と「退職届」はどう違う?

ところで、ここまで「退職願」と「退職届」の2種類の表現を使っていますが、両者の違いって何だと思いますか?

 

簡単に書くと、

  • 「退職願」は、退職を願い出ることで、後から撤回できるもの
  • 「退職届」は、退職を届け出ることで、後から撤回できないもの

となるんです。

退職届

「退職届」は、退職を決めたときに提出するものです。

が、通常は、まずは上司に口頭で「退職します」と伝えることのほうが多く、「退職届」そのものは、単に退職に係る事務手続き上、必要な書類にしかすぎません。

なので、後から提出するケースが多いのではないでしょうか?

 

退職願

会社を辞めるのに「願い出る」というのは、冷静に考えればおかしな話、ですよね。

働く人には、誰でも会社を辞める権利がありますからね。

 

「退職願」というのは、どちらかというと

本人は会社を辞める気は無いけれど、形式的に出さなきゃいけない

ケースで用いられるものと言えるでしょう。

 

例えば、本人が会社を辞めなければならないほどではないにせよ、ちょっとした不祥事を起してしまって、その反省の意を込めて(当然、受理されないことを前提に)出すというもの。

あるいは、待遇改善など会社に対して「物申す」ときに、自分の覚悟のほどを示すために提出する、とか。

 

「退職願」は、本当の本当では会社を辞める気はないものの、とっても重大な覚悟をしているときに出すもので、後で撤回することが前提になっていると言えますね。

 

進退伺い

「退職願」と同じ意味合い、だけど、より軽いのは「進退伺い」。

何かをやらかしてしまった後、「会社を辞めればよいか、決めてください」と判断を預けるときに出します。

 

が、これは自分から出すというより、上司から

「形式的に出しておけ」

と言われて出すという位置づけで、基本的には退職には至らないという前提ですね。

もちろん、何らかのペナルティーはあるでしょうけど。

 

おわりに

「辞表」、「退職届」、「退職願」、そして、「進退伺い」。

会社を辞める・辞めないの際に使われる書類のそれぞれの違いについて書きました。

 

あなたが普通のサラリーマンだったら、ムカつく上司に叩きつけてやるのは「退職届」です。

間違っても、「辞表」を叩きつけないように気をつけてくださいね!